moratisのレビュー

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冨岡義勇が好きだ

今回は『鬼滅の刃』について。最終話までのネタバレを含みます。

冨岡義勇とは?

言わずと知れた水柱で、炭治郎がはじめて出会った鬼殺隊士でもある。鬼に襲撃されたとき、姉蔦子にかばわれる形で一命を取り留め、最終選別のとき、錆兎が鬼を倒してくれたおかげで生き残った。それを引け目に感じている。

冨岡義勇の魅力

義勇といえば、「生殺与奪の権を他人に握らせるな」というセリフ。みんな口をそろえてこのセリフを言う。だけど、私にとってのポイントはそこじゃない。

義勇のポイントはどこかというと、常に優先順位を見誤らない冷静さと判断力だ。育手である左近次の教えあってこそかもしれないが、判断力がすごい。最終巻、炭治郎が死んだと思った義勇は、「また守れなかった」と涙する。義勇が泣くのは、このシーンだけなんじゃないかな? しかしその直後、炭治郎は鬼化して目覚める。そのとき義勇はすぐに炭治郎を殺そうとする。もちろん、炭治郎を殺したかったわけじゃない。だけど、どんなときでも人殺しの鬼は殺さなければならない。生かしておいても救えない。この強い意志があったからこその行動だったのだろう。しかも、義勇にとって、姉、親友に続いて弟弟子という、三人目の最も愛すべき人だったはずだ。そんな時でも判断を誤らない義勇。惚れる。柱たるにふさわしい統率力はこの判断力にあるといえるだろう。

組織の上に立つ者に最も必要なのは、判断力と責任感だと思っている。「今、どうすべきか」の判断がとっさに下せること、自分が取るべき責任を取ること。これさえできれば、他者との信頼関係も構築できるし、不利益を最低限にとどめられる。私にとって義勇は、理想の上司像だ。